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May 16, 2024

【プレスリリース】リチウムイオン電池向け高濃度電解液の研究において多くの優れた実績を持つ大阪大・山田教授と共同研究を開始

【プレスリリース】リチウムイオン電池向け高濃度電解液の研究において多くの優れた実績を持つ大阪大・山田教授と共同研究を開始【プレスリリース】リチウムイオン電池向け高濃度電解液の研究において多くの優れた実績を持つ大阪大・山田教授と共同研究を開始

3DCは、2024年4月、リチウムイオン電池向け高濃度電解液の研究において日本有数の実績を持つ大阪大学産業科学研究所・山田 裕貴教授と共同研究を開始しました。

今回の共同研究を通して、1回の充電で従来よりも長時間使える高容量なリチウムイオン電池の開発に向けて検討を進め、電池の進化と脱炭素社会の実現に貢献します。

■共同研究を開始した背景

持続可能な社会の実現に向けて、脱炭素領域に多くの注目が集まっています。脱炭素を実現するための手段のひとつに「社会の電動化」があり、電動化の鍵として期待されているのが「リチウムイオン電池」です。リチウムイオン電池は、他の二次電池よりも小型かつ長寿命にできることから、EVの普及や再生可能エネルギーの導入拡大において重要な役割を果たすと考えられています。

リチウムイオン電池の性能の中でも特に重要なのが、1回の充電で貯められる電気の量(容量)です。リチウムイオン電池は1991年に商用化されて以来、その容量を決定づける活物質(正極材料など)を中心に進化してきました。

脱炭素社会の実現には、現状よりもさらに高容量の電池が必要です。しかし、リチウムイオン電池には「容量を向上させようとすると寿命や入出力特性といった別の特性が低下する」というジレンマが存在するため、研究は一筋縄ではいきませんでした。このトレードオフ解消に貢献できると考えられているのが、3DCが開発する次世代炭素材料「グラフェンメソスポンジ(GMS)」です。

リチウムイオン電池では、電極の導電性を上げるため、活物質の近くに「導電助剤」と呼ばれる材料を分散させる必要があります。3DCは、GMSを導電助剤としてアレンジした「導電助剤用GMS」を開発・販売しています。今回は、導電助剤用GMSを使用してリチウムイオン電池のさらなる高容量化を実現するため、リチウムイオン電池の電解液について豊富な研究経験を有する大阪大学・山田 裕貴教授と共同研究を開始することとなりました。

■共同研究先:横浜国立大学 藪内直明 教授について

山田教授

大阪大学 産業科学研究所 エネルギー・環境材料研究分野 教授

2010年に、京都大学 大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 博士後期課程を修了。博士(工学)。博士取得後は東京大学 大学院工学系研究科 化学システム工学専攻の助教に就任、2018年から同講師、2020年から同准教授。2021年4月より現職。

次世代二次電池に向けた新規電解液材料の開発や、高密度エネルギー貯蔵を可能にする新反応の開発に取り組む。リチウムイオン電池の高容量化に向けた高濃度電解液の開発に関しては、日本有数の実績を持つ。国内外の大手メーカーとの共同研究経験も豊富。GX実現を目指す国家プロジェクト「革新的GX技術創出事業(GteX)」の「高エネルギー密度を有する高温作動長寿命リチウム系電池の開発」において、グループリーダーを務める。

研究室HP:https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/eem/index.html

■共同研究の内容

リチウムイオン電池は、主に「電極、セパレータ、電解液」から構成されています。電解液とは、有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものです。リチウム塩の濃度をある程度まで高くした「高濃度電解液」は、電圧が高い環境でも分解されにくいことが知られています。

リチウムイオン電池は充電電圧が高いほど容量が大きくなるため、高濃度電解液は、高容量化に重要な役割を果たすと考えられています。しかし、電解液が高電圧化に対応できても、導電助剤などのその他の材料が対応できなければ意味がありません。実際、従来の導電助剤は電圧が高いと劣化しやすいため、電圧が高くても耐えられる導電助剤が求められていました

今回は、山田教授が開発した最先端の高電圧向け電解液と、3DCの導電助剤用GMSを組み合わせることで、リチウムイオン電池のさらなる高容量化を目指します。導電助剤用GMSは「化学的な劣化に強い」「弾性変形により電極の構造変化を吸収するため、電極の劣化を抑えられる」という特徴があることから、高電圧リチウムイオン電池の実現に貢献できると期待しています。

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プレスリリース全文は以下からご覧ください。

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