Our Innovation

「革新的な炭素材料GMS」

GMSは、炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造をしているため柔軟性に長けており、「炭素材料は硬い」という常識を覆し、ゴムのように弾性変形します。このような「変形する炭素材料」を開発しているのは、世界でも3DCだけです。その上、多孔性、導電性、耐食性を両立させ、炭素材料の壁と言われる「寿命と性能のトレードオフ問題」を解決し得る革新的な炭素材料です。

GMSの特徴

・炭素原子1つ分の厚みしかない→比表面積が活性炭並みに大きい
・内部に多くのナノ細孔を持つ→活物質を大量に保持できる
・化学反応の起点が圧倒的に少ない→酸化耐性が非常に高く、劣化にしくい
・高品質なグラフェンからなる→カーボンブラック並みに導電率が高い
・スポンジのような機械的柔軟性を持つ→ゴムのように弾性変形する

電気エネルギーを蓄え、使うところにGMS

① 宇宙船

宇宙船のバッテリーが長持ちすればより遠くの惑星や星に到達でき、宇宙開発が大きく進展する。

② 電気飛行機

飛行機の電動化が進み、脱炭素化や騒音の低減につながる。

③ 蓄電池

屋上のソーラーパネルで発電した電気を貯めておき、工場内で活用する。

④ ドローン

ドローンを長時間安定して稼働させ、未来の配達インフラを構築する。

⑤ 蓄電池 (平滑化用)

大規模な蓄電池により、風力発電ができない台風時でも電力を安定供給できる。

⑥ 蓄電池 (家)

家庭に蓄電池を設置し、貯めた電気を室内電灯や料理、EV充電などに活用する。

⑦ EV車

EV用電池の高性能化・長寿命化により、カーシェアリングや自動運転といった新しいモビリティへの展開が進む。

⑧ モバイルデバイス

電池の進化により、より薄く、軽く、長持ちする新たなモバイルデバイスが誕生する。

⑨家事ロボット・ケアロボット

家事や介護を行うロボットの導入が進み、日常生活における負担が減る。

⑩ ペースメーカー

ペースメーカーの電池が長寿命化すれば電池交換が不要となり、交換手術の必要がなくなる。

⑪ 蓄電池 (分散化用)

近くの発電所からの電気を貯めておくことで、電力網に依存しない生活を実現できる。

Sustainability

メタンの新たな利用法の提案

GMSの原料はメタンです。メタンがGMSに転換される過程では、副生物として水素が発生します。これは、CO2フリーのターコイズ水素(メタンの熱分解により製造される水素)です。つまりGMSの製造工程は、「強力な温室効果ガスであるメタンを環境にやさしい方法で水素燃料に変換する」環境にやさしいプロセスだと言えます。GMSを製造することで、メタンをそのまま燃焼させるよりもカーボンフットプリントを大幅に削減できるのです。 GMSの製造は、脱炭素社会におけるメタンの新たな利用法として非常に優れていると言えるでしょう。

Product

バッテリー向けGMS

バッテリーを高性能化して用途を拡大

脱炭素化と産業の発展に伴い、バッテリーの用途はEVから大型トラック、エアモビリティ、宇宙産業などへと広がりを見せるでしょう。そのためには、バッテリーのさらなる高容量化が欠かせません。 GMSは内部に多数のナノ細孔を持ち活物質を大量に保持できるため、バッテリーの高容量化に貢献します。

バッテリーの長寿命化によりその持続可能性を向上

バッテリーの製造工程には、レアメタルの大量消費、CO2排出、児童労働といった多くの問題が存在します。つまり、バッテリー製造は持続性に欠けるのです。 劣化しにくく柔軟なGMSをバッテリーに使用すれば、バッテリーのさらなる長寿命化が可能。バッテリーの製造頻度を減らし、環境や人々にやさしい社会を実現できます。

リチウムイオン電池向けGMS
次世代電池向けGMS

キャパシタ向けGMS

キャパシタ電極として使用

電気二重層キャパシタ(EDLC)は物理的な吸着により電気を蓄えるため、電池に比べて高出力かつ長寿命という優れた特長を示します。ただし、エネルギー密度の低さが長年の課題とされてきました。 「比表面積が大きく劣化しにくい」というGMSの特長は、EDLCの電極として最適です。GMSを使えば、EDLCの静電容量を維持しつつ作動電圧を向上させることができます。これにより、従来のエネルギー密度を大きく上回るEDLCを製造できるのです。

【関連論文】

4.4 V supercapacitors based on super-stable mesoporous carbon sheet made of edge-free graphene walls

3DCは、キャパシタ事業で中小企業庁の助成金に採択されています(3年度合計で約3億円)。
詳細は以下のニュース記事をご覧ください。

「【お知らせ】令和5年度「成長型中小企業等研究開発支援事業」に採択されました」

触媒担体としてのGMS

触媒担体としての使用

水電解装置によるグリーン水素の製造は、脱炭素社会の実現に向けた重要なファクターです。水電解装置の陽極には高電位での耐酸化性と高い導電性を両立する担体の使用が理想とされていますが、実はこのような担体はこれまで存在しませんでした。そのため、水電解装置の陽極では担体を使用できず、触媒を高分散させられない(触媒の使用量が大きくなる)という課題がありました。

また、燃料電池の電極には従来カーボン担体が使用されてきましたが、これらは高電位耐性が不足しているという問題がありました。カーボン担体を焼成すれば高電位耐性を向上させることは可能ですが、代わりに表面積が大きく低下するため、触媒を高分散させる担体としての役割が果たせなくなる点が課題でした。

GMSは、焼成しても多孔性が維持される(高比表面積が維持される)特殊な炭素材料であり、非常に高い高電位耐性を有します。そのため、GMSを水電解や燃料電池用の触媒担体として使用すれば、上記の課題を全て解決できると期待されています。

【関連論文】

Pyrene-Thiol-modified Pd Nanoparticles on Carbon Support: Kinetic Control by Steric Hinderance and Improved Stability by the Catalyst-Support Interaction

Elucidation of oxygen reduction reaction and nanostructure of platinum-loaded graphene mesosponge for polymer electrolyte fuel cell electrocatalyst

3DCは、触媒担体事業で以下の助成金に採択されています(3年間で約3000万円)。
詳細は以下のニュース記事をご覧ください。

「【お知らせ】令和5年度宮城県新規参入・新産業創出等支援事業費補助金(グループ開発型)に採択されました」

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