GMSは、炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造をしているため柔軟性に長けており、「炭素材料は硬い」という常識を覆し、ゴムのように弾性変形します。このような「変形する炭素材料」を開発しているのは、世界でも3DCだけです。その上、多孔性、導電性、耐食性を両立させ、炭素材料の壁と言われる「寿命と性能のトレードオフ問題」を解決し得る革新的な炭素材料です。
・炭素原子1つ分の厚みしかない→比表面積が活性炭並みに大きい
・内部に多くのナノ細孔を持つ→活物質を大量に保持できる
・化学反応の起点が圧倒的に少ない→酸化耐性が非常に高く、劣化にしくい
・高品質なグラフェンからなる→カーボンブラック並みに導電率が高い
・スポンジのような機械的柔軟性を持つ→ゴムのように弾性変形する
GMSの原料はメタンです。メタンがGMSに転換される過程では、副生物として水素が発生します。これは、CO2フリーのターコイズ水素(メタンの熱分解により製造される水素)です。つまりGMSの製造工程は、「強力な温室効果ガスであるメタンを環境にやさしい方法で水素燃料に変換する」環境にやさしいプロセスだと言えます。GMSを製造することで、メタンをそのまま燃焼させるよりもカーボンフットプリントを大幅に削減できるのです。 GMSの製造は、脱炭素社会におけるメタンの新たな利用法として非常に優れていると言えるでしょう。
3DCは、リチウムイオン電池に関して以下の方々と共同研究を実施しています。
・横浜国立大学工学研究院 藪内 直明教授(研究室HP)
「次世代カーボン素材の東北大発3DC、リチウムイオン電池向け正極材料の研究において日本有数の実績を持つ横国大・藪内教授と共同研究を開始」・大阪大学産業科学研究所 山田 裕貴教授(研究室HP)
「次世代カーボン素材の東北大発3DC、リチウムイオン電池向け高濃度電解液の研究において多くの優れた実績を持つ大阪大・山田教授と共同研究を開始」・岐阜大学工学部機械工学科 西田 哲准教授(研究室HP)
「次世代カーボン素材の東北大発3DC、リチウムイオン電池向けの「シリコン系負極材料」を高品質で製造すべく、岐阜大・西田 哲准教授と共同研究を開始」リチウムイオン電池だけでなく、全固体電池や空気電池、リチウム硫黄電池といった次世代電池の電極にもGMSを提供予定です。 GMSを使えば、次世代電池の高性能化や長寿命化が期待できます。
Nano-Confinement of Insulating Sulfur in the Cathode Composite of All-Solid-State Li–S Batteries Using Flexible Carbon Materials with Large Pore Volumes
Edge-Site-Free and Topological-Defect-Rich Carbon Cathode for High-Performance Lithium-Oxygen Batteries
Hierarchically Porous and Minimally Stacked Graphene Cathodes for High-Performance Lithium–Oxygen Batteries
3DCは、全固体電池について以下の共同研究を実施しています。
・甲南大学理工学部機能分子化学科 町田 信也教授(研究室HP)
「次世代カーボン素材の東北大発3DC、日本を代表する全固体電池の研究者である甲南大・町田教授と共同研究を開始」電気二重層キャパシタ(EDLC)は物理的な吸着により電気を蓄えるため、電池に比べて高出力かつ長寿命という優れた特長を示します。ただし、エネルギー密度の低さが長年の課題とされてきました。 「比表面積が大きく劣化しにくい」というGMSの特長は、EDLCの電極として最適です。GMSを使えば、EDLCの静電容量を維持しつつ作動電圧を向上させることができます。これにより、従来のエネルギー密度を大きく上回るEDLCを製造できるのです。
4.4 V supercapacitors based on super-stable mesoporous carbon sheet made of edge-free graphene walls
3DCは、キャパシタ事業で中小企業庁の助成金に採択されています(3年度合計で約3億円)。
詳細は以下のニュース記事をご覧ください。
水電解装置によるグリーン水素の製造は、脱炭素社会の実現に向けた重要なファクターです。水電解装置の陽極には高電位での耐酸化性と高い導電性を両立する担体の使用が理想とされていますが、実はこのような担体はこれまで存在しませんでした。そのため、水電解装置の陽極では担体を使用できず、触媒を高分散させられない(触媒の使用量が大きくなる)という課題がありました。
また、燃料電池の電極には従来カーボン担体が使用されてきましたが、これらは高電位耐性が不足しているという問題がありました。カーボン担体を焼成すれば高電位耐性を向上させることは可能ですが、代わりに表面積が大きく低下するため、触媒を高分散させる担体としての役割が果たせなくなる点が課題でした。
GMSは、焼成しても多孔性が維持される(高比表面積が維持される)特殊な炭素材料であり、非常に高い高電位耐性を有します。そのため、GMSを水電解や燃料電池用の触媒担体として使用すれば、上記の課題を全て解決できると期待されています。
Pyrene-Thiol-modified Pd Nanoparticles on Carbon Support: Kinetic Control by Steric Hinderance and Improved Stability by the Catalyst-Support Interaction
Elucidation of oxygen reduction reaction and nanostructure of platinum-loaded graphene mesosponge for polymer electrolyte fuel cell electrocatalyst
3DCは、触媒担体事業で以下の助成金に採択されています(3年間で約3000万円)。
詳細は以下のニュース記事をご覧ください。
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