【研究成果】GMSの弾性変形による影響を詳細に解析

(アイキャッチ画像の出典:Carbon, 2024,
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2024.119376, Licensed under CC BY 4.0

3DCが量産化を目指す次世代カーボン材料「グラフェンメソスポンジ(GMS)」に関して、東北大学材料科学高等研究所の西原研究室から新たな研究成果が発表されました。

3DCは、東北大学材料科学高等研究所の西原研究室で発明されたGMSの事業化を目指す大学発スタートアップです。現在、GMSに関する特許は東北大学から3DCに移転されています。

GMSは炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造をもつため、他の材料にはない驚くべき柔軟性を示しますそのため、GMSに機械的な力を加えた際に内部のメソ細孔の変形によって起こる現象を調べれば、物理化学の分野を発展させることができると期待されています。

今回の研究では、微粒子状GMSの弾性変形過程をライブ撮影することに成功しました(以下の動画を参照)。また、変形中にGMS内で起こる現象を走査型電気化学セル顕微鏡(SECCM)で観察(下図を参照)することで、内部の細孔径が7nmから2nmに小さくなると、capacitive rate performanceが顕著に低下することを発見しました。

動画:微粒子状GMSが弾性変形する様子
(出典:Carbon, 2024,
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2024.119376, Licensed under CC BY 4.0

図:(上)SECCMシステムの概略図、(下)SECCMによる圧力制御下で微粒子状GMSが変形する様子
(出典:Carbon, 2024,
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2024.119376
, Licensed under CC BY 4.0

本研究グループは、「今回の研究は、GMSにおける細孔径の影響を解明するひとつのカギとなる」としています。

本研究の成果は、科学誌Carbonに掲載されています。

研究内容をくわしく知りたい方は、以下をご覧ください。

・論文
Probing Non-Faradaic Process during Elastic Deformation in a Single Sphere of Extremely Soft Mesoporous Carbon